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お客様の声:Miele 全自動洗浄機

徳島県環境技術センター様

[G7883LAB] 現行モデル PG8583

お仕事の内容

主に徳島県下の、浄化槽の施工・設置、設置後の維持管理に関する検査や指導、知識普及のための講習会などを行われています。

また浄化槽水質検査以外に、河川・湖沼・地下水・工場排水などの水質分析も対応されていらっしゃいます。

社名
社団法人 徳島県環境技術センター

施設ご紹介
浄化槽設置届けの受付、各種相談、浄化槽法に基づく法定検査や浄化槽教室の開催。そのほか水質、土壌分析などのご提供。

所在地
徳島県徳島市

施設HP
http://www.tokushima-env.jp/

水質検査の現場では、大量のガラス器具を扱われるため、多くの検査センター様で弊社の全自動洗浄機を導入いただいております。
その中でも徳島県環境技術センター様では、年間数万検体を処理されており、ミーレ洗浄機を3台導入いただいております。
今回はその検査現場を訪問し、どのような検査を実施されているのか、またその中でどのように洗浄機をご使用いただいているのか、お話をお聞きしました。

本日はご多用の中、お時間をいただきましてありがとうございます。
まずはお仕事の内容を教えていただけますでしょうか。

当センターでは、浄化槽法 第7条、第11条によって定められた法定検査を実施しています。この検査では、水質汚濁の指標であるBOD検査を実施し、たとえば水質基準に比べて著しく悪化しているような場合には、きれいな水になるように改善方法を助言します。

このほか、環境計量証明事業機関として水質検査、土壌検査のサービスも提供しています。

これらBOD検査と、環境計量証明事業機関としての業務がメインの仕事になりますが、事業としては前者のBOD検査の方が比重は大きく、今回インタビューの対象になっているミーレも、主にBOD検査で出るフラン瓶を洗浄するために使用しています。

不勉強で恐縮ですが、BOD検査とは具体的にどのような検査を行うのでしょうか。

水の中の汚れ、すなわち有機物は、水中のバクテリアが食べて分解してくれています。水中の汚濁物質が多ければ多いほど、バクテリアはたくさん分解しなければなりませんから、活動は活発になる。このときにバクテリアは酸素を必要としますから、バクテリアの活動量によって水中の酸素の消費量もかわるのです。
検査ではここに着目し、水中にどれだけの酸素が残っているか、これを溶存酸素といいますが、それを測定します。具体的には1日目のサンプル中の溶存酸素と、5日目の溶存酸素を測定し、どれだけ酸素量が減ったかを見ています。たとえば5日目に測ったときに酸素の消費量が非常に多ければ、バクテリアの活動は非常に活発であり、多くの酸素が消費されたわけですが、これはつまり餌となる水中の有機物が多いことになります。すなわち水は汚い、ということができるわけです。

なるほど、たいへんよく分かりました。ところでこちらでは、年間にどれくらいの検体数を処理されるのでしょうか。

現在は年間7万4千件を処理しています。当センターでは自動化を積極的に推進しておりますので、処理能力としては年間11万件まで対応できる体制が整っています。

最大処理能力が年間11万件で、いまの処理量が7万4千件ですか!それはまたすごい数ですね!あとで詳しく見せていただくのが楽しみです。
具体的には、検体の採取はどのようにされているのでしょうか。また検査の具体的な流れをお教えいただけないでしょうか。

まずは資格を持った検査員が、現場で検査を実施し、それから250mLのポリ瓶に放流水を採取します。このときに現場で実施する検査とは外観検査や書類検査、pH、DOをはじめとする水質検査があります。BOD検査では、現場検査を参考に採取したサンプルの希釈を実施します。特に透視度を参考に、例えば水がきれいであれば1倍2倍4倍の希釈、汚れの程度により5倍8倍・・・と希釈倍率はふえていきます。
また当センターでは、携帯電話とGPSを組み合わせて活用しており、検査員がサンプルをどこで採取したか、透視度や現場の状況はどうであったかなどを携帯電話から入力できるようになっています。


  ※検査員の方々が使用されている携帯電話の画面例
   (徳島県環境技術センター様ご提供)

すごいですね、まさにIT化のお手本のような感じですね!
ますます自動化された検査ラインを拝見するのが楽しみになってきました。実際の検査現場を拝見させてもらってもいいでしょうか。

ええ、もちろんです(笑)。こちらへお越し下さい。

(検査現場に移動して) 先ほど申し上げたように、検査員が現場でサンプルを採取し、携帯電話で情報を入力します。
検査センターに戻ると、携帯から入力したデータをパソコン上で読み出して、採取してきたサンプルとデータのマッチングを行います。
そのあと、サンプルはワゴンごと冷蔵室にて保存処理を行います。
また、先のデータは自動定量希釈DO装置へ取り込み、サンプルの登録が行われます。


携帯で入力したデータを読み出すためのパソコン


データをマッチングさせたあと、サンプルを載せるワゴン


サンプルを保存しておく冷蔵室

1日目の溶存酸素の測定ですが、それを行うのがこちらのロボットです。


1日目の溶存酸素を測定するためのロボット

向かって右側で1日目の酸素量を測定します。溶存酸素を測定したあとは、それぞれのサンプルの性状によって、サンプルを自動的に希釈し、3本のフラン瓶に分注します。


向かって左側で正確にサンプリングを行い、右側で溶存酸素の測定分注を行います。


左側は希釈前のサンプル(ポリ瓶)
右側はロボットで希釈し、分注されたサンプル(フラン瓶)

分注されたフラン瓶をラックに移し、5日目の溶存酸素を測定するために恒温室(20℃)に移して保管します。



5日目にラックを、溶存酸素を測定するロボットのところに移動させておきます。5日目の測定は完全自動で、設定した時刻に測定を開始します。


5日目の溶存酸素を測定するためのロボット

何というか、とてつもないシステムですね。ご説明をお聞きしているだけで、お腹いっぱいになってしまいました(笑)。
ところで先ほど年間7万4千件処理されているとのことでしたが、実際のところ一日にどのくらいのフラン瓶などを洗浄されているのでしょうか。

ラックひとつで288本のフラン瓶があって、それがだいたい一日平均5ラックありますから、ざっと1,500本のフラン瓶を洗浄しています。それからポリ瓶が約500本、それにその他のガラス器具を洗浄しています。

とすると、洗浄機は一日何回くらい運転されているのでしょうか?

そうですね、現在3台導入しておりますが、だいたい一台あたり15回は洗浄しているでしょうか。

15回ですか!ほとんどずっと洗浄している感じですね!

洗浄プログラムもいろいろ工夫しており、お湯を直接ミーレに接続し、洗浄水の温度を上げる時間を短縮しています。洗浄も予備洗浄が一回、本洗浄は40℃の温水で3分間を一回、計2回に抑えています。この本洗浄も、お湯を直接ミーレに入れていますから、ほとんど洗浄水の加熱時間をとらないで運転できます。とにかく短時間でまわして、回数を稼ぐための工夫です。


ミーレ洗浄機にフラン瓶をセットしたところ

一日15回もまわされるのであれば、たしかにお聞きしたような工夫は必要ですね。ところでミーレをお使いになっていて、何かご不満な点はあるでしょうか。

フラン瓶をセットするワゴンの中央に、フラン瓶をセットできないことでしょうか。お話ししたように、何しろ本数を処理したいので、ここの部分にもセットできないのはちょっと困ります。ワゴンのデザインを、ぜひ考えていただきたいと思っています。

最後に
ワゴンの改善については、お話をお聞きしてその必要性などがたいへんよく分かりました。現状では、洗う対象物によってワゴンを取り替えることを前提に設計しておりますので、どうしても中央部にフラン瓶をセットできない形になっています。ただ御社でお使いのように、もしワゴンを取り替えないのであれば、この部分も有効活用できると思います。今後の参考にさせていただきます。
また本日は、ご多用の中お時間をいただきましてありがとうございます。御社でのIT化、自動化の取り組みをお聞きし、たいへん感銘を受けました。
今後とも何らかの形でお役に立ちたいと思っておりますので、なにとぞよろしくお願いいたします。